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Webサイト制作

カートシステム(Shopify/Base)の手数料とWeb制作費のバランス

ECサイトの立ち上げを検討する際、経営者や担当者が最初にぶつかる壁が「カートシステムの選定」です。特に、初期費用無料で手軽に始められる「BASE(ベイス)」と、世界シェアNo.1で拡張性の高い「Shopify(ショッパイ)」のどちらを選ぶべきか、という議論は尽きません。

「最初はリスクを抑えてBASEで無料から始めたい」「いや、最初から本格的にShopifyでやるべきだ」。どちらの意見も一理ありますが、判断基準を「初期制作費の安さ」だけに置くと、事業が成長した段階で必ず後悔します。ECサイトのコストは、イニシャル(制作費)とランニング(月額費+決済手数料)のトータルバランスで考えなければなりません。今回は、BASEとShopifyの手数料構造の違いと、売上規模に応じた「損をしない」予算配分の考え方を解説します。

「無料」のBASEと「有料」のShopify。利益を削るのはどっち?

まず、両者の料金体系の決定的な違いを理解しましょう。

■BASE
月額費用は無料(または安価)。その代わり、商品が売れるたびにかかる「決済手数料+サービス利用料」が高い(合計 約6.6% + 40円〜)。

■Shopify
月額費用がかかる(ベーシックで約$33〜)。その代わり、「決済手数料」が安い(約3.4%〜)。

■H3:売上規模による「損益分岐点」を見極める

ここから見える真実はシンプルです。「売上が少ないうちはBASEが得だが、売上が増えれば増えるほどShopifyが得になる」ということです。
ざっくりとした試算ですが、月商が30万円〜50万円を超えてくると、BASEの高い手数料(約6.6%)がボディブローのように利益を圧迫し始めます。月商100万円の場合、BASEだと毎月約7万円近くが手数料として消えますが、Shopifyなら月額費を払っても手数料総額は4万円程度で済みます。

つまり、テストマーケティングや副業レベルであればBASEが最適ですが、最初から「事業として月商100万円以上を目指す」のであれば、BASEを選ぶことは「売上の3%(年間数十万円)をドブに捨て続ける」のと同じことになります。目先の月額費用の安さに惑わされず、事業計画上の目標売上に基づいて選定する必要があります。

制作費(イニシャルコスト)への投資対効果

次に、制作会社に支払う「Web制作費」のバランスです。

BASE=デザインの自由度は低いが、安く早く作れる

BASEは、あらかじめ用意されたテンプレート(テーマ)に画像とテキストを流し込む形が基本です。そのため、制作会社に依頼しても、カスタマイズできる範囲が限られており、制作費は比較的安価(数万円〜30万円程度)に収まります。
しかし、独自のデザインや複雑な機能を実装することは難しく、「どこかで見たことがあるサイト」になりがちです。ブランドの世界観を細部まで作り込みたい場合や、独自の購入フローを作りたい場合には不向きです。

Shopify=構築費はかかるが、資産になる

Shopifyは、HTML/CSS/Liquidといったコードを編集することで、デザインや機能を自由にカスタマイズできます。そのため、制作会社に依頼する場合の費用はBASEよりも高額(数十万円〜数百万)になります。
しかし、その分「SEOに強い構造」「CRM(顧客管理)との連携」「カゴ落ち対策」など、売上を上げるためのマーケティング機能を実装できます。初期費用はかかりますが、売上が伸びてきた際の手数料メリットと拡張性(アプリによる機能追加)を考えれば、中長期的なROI(投資対効果)はShopifyの方が高くなります。

予算配分の鉄則:「作る」ことより「売る」ことに残す

ここで最も重要なアドバイスをします。予算が100万円あるとして、その全額を「サイト制作費(デザイン)」に使ってはいけません。

ECサイトは、公開した日がスタートです。どれだけ立派なサイトを作っても、誰もアクセスしてくれなければ売上はゼロです。予算の配分は以下のように考えてください。

■制作費(お店を作る):予算の50%

■集客費(広告・SNS運用・コンテンツ制作):予算の50%

もし予算が限られているなら、Shopifyの有料テーマをそのまま使い、デザインのカスタマイズ費用を抑えてでも、残った予算をWeb広告やSNS運用に回すべきです。「見た目が綺麗なサイト」よりも、「お客様が来てくれるサイト」の方が、ビジネスとして正しいからです。

乗り換え(マイグレーション)コストの罠

「とりあえずBASEで始めて、売れたらShopifyに移行すればいい」という考え方もあります。確かに一つの戦略ですが、ECサイトの引越し(マイグレーション)は想像以上に大変です。
商品データ、顧客データ、注文履歴の移行、そしてSEO評価の引き継ぎ(リダイレクト設定)。これらをミスなく行うには、新規構築以上のコストと手間がかかる場合があります。また、URLが変わることで、常連客が離脱するリスクもあります。
「本気でやるなら最初からShopify」を推奨するのは、この将来的な移行コストを回避するためでもあります。

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CagraPROが提案する「勝てる」カート選定

私たちCagraPRO(カグラプロ)は、特定のカートシステムありきで提案することはありません。お客様の「目標売上」「社内の運用体制」「商材の特性」をヒアリングした上で、シミュレーションを行います。

■ケースA: 新規事業で、まずは市場の反応を見たい。予算は最小限。→ BASEでテンプレートを活用し、最速・最安でリリース。浮いた予算は広告へ。

■ケースB:既存の実店舗にファンがおり、月商100万以上が見込める。リピート施策も打ちたい。→ Shopifyでブランドイメージを統一し、LINE連携やメルマガ機能を実装。

重要なのは、カートの手数料と制作費のバランスを、今の時点だけでなく「1年後、3年後」の視点で計算することです。

「自社にはどちらが合っているか診断してほしい」「Shopifyで作る場合の概算を知りたい」。そのような疑問をお持ちでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。御社のEC事業が、手数料負けせず、健全に利益を生み出すための設計図を描きます。

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著者:清宮 雄(株式会社カグラ 代表取締役) マーケティング、ブランディングおよび企業経営の領域において20年以上の実務経験を有する。国内外にてIT事業および教育事業を展開。