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業者選び・運用

「御用聞き」はいらない。Noと言える対等なパートナーを選ぶべき理由

「すべて御社の仰る通りにします」「修正は何度でも言われるがままに行います」。一見すると、これほど扱いやすく、心地よい制作会社はないように思えます。特に、社内政治や調整に疲れている担当者様にとって、自分の指示に100%従順な業者は、砂漠のオアシスのように魅力的に映るかもしれません。

しかし、断言します。もし御社がWebサイトで「成果」を出したいのであれば、このような「御用聞き(イエスマン)」の制作会社を絶対に選んではいけません。

彼らが提供しているのは「思考の放棄」であり、ビジネスパートナーとしての職務怠慢です。御社の要望をそのまま形にすることは、一見サービスのようですが、実は「失敗のリスク」を全て御社に背負わせる行為に他なりません。

今回は、なぜ「No」と言える制作会社が必要なのか。そして、対等な議論ができるパートナーを選ぶことが、いかにプロジェクトのROI(費用対効果)を高めるかについて、CagraPROの哲学を交えて解説します。

「御用聞き」がWebサイトを駄目にするメカニズム

なぜ、従順な制作会社ではうまくいかないのか。その理由はシンプルです。「発注者(御社)の要望」と「ユーザー(顧客)の要望」は、往々にして対立するからです。

社長の「好き」は、顧客の「嫌い」かもしれない

よくあるケースをご紹介します。社長から「トップページに迫力のある動画を入れて、英語のメッセージを流したい」という要望が出たとします。
御用聞きの制作会社はこう答えます。「承知しました。最高にかっこいい動画を作りましょう」。
その結果、サイトは重くなり、スマホでの表示速度が低下。さらに、英語が苦手なターゲット顧客は「何の会社か分からない」と感じて、3秒で離脱してしまいます。

これは誰の責任でしょうか? 制作会社は「言われた通りにやった」と主張します。しかし、ビジネスとしては大失敗です。
プロであれば、ここでこう言わなければなりません。「社長、その動画は入れないほうがいいです。なぜなら、御社のターゲット層は50代の保守的な層であり、彼らが求めているのは『かっこよさ』ではなく『分かりやすさ』と『表示の速さ』だからです」。

この「No」が言えない制作会社は、御社の自己満足を満たすことはできても、売上を作ることはできません。

全部盛りの「フランケンシュタイン」サイト

社内の各部署から「あれも載せて」「これも載せて」という要望が集まることがあります。
御用聞き業者は、これらを全てパズルのように詰め込みます。その結果、ナビゲーションメニューは複雑怪奇になり、トップページは情報の洪水となり、どこに何があるか分からない「迷宮」が出来上がります。私たちはこれを、つぎはぎだらけの怪物に例えて「フランケンシュタイン・サイト」と呼んでいます。

プロの役割は、情報の「整理」と「断捨離」です。「それはWebサイトではなく、PDFの資料で配布すべきです」「その情報は階層を深くしましょう」と、勇気を持って情報を削る提案ができる会社だけが、ユーザーにとって使いやすいサイトを構築できます。

「No」は拒絶ではなく、最高の「提案」である

私たちがお客様に「No」と言うとき、それは「やりたくない」という意味ではありません。「もっと良い方法(Alternative)がある」という、前向きな提案の合図です。

目的(Why)に立ち返るためのブレーキ

お客様が特定の機能やデザインを指定してくる時、そこには必ず「目的」があります。
例えば「チャットボットを導入したい」という要望。プロはその裏にある動機を探ります。すると「電話問い合わせを減らしたいから」という目的が見えてきます。
もし、御社の商材が高額で複雑なものなら、チャットボットで機械的に返すよりも、電話で丁寧にヒアリングしたほうが成約率は高いかもしれません。その場合、私たちは「チャットボットはやめましょう。代わりに電話番号を目立たせ、FAQ(よくある質問)を充実させて電話のハードルを下げつつ、無駄な質問を減らす構成にしましょう」と提案します。

手段に対する「No」は、目的を達成するための最短ルートを示すためのナビゲーションなのです。

無駄なコストを削減する防波堤

制作会社にとって、追加機能の実装は売上アップのチャンスです。しかし、誠実なパートナーであれば、不要な機能には「お金の無駄です」とNoを突きつけます。
「アプリを作りたい」という相談に対し、「御社の利用頻度ならアプリは不要です。Webサイトのスマホ対応を強化するだけで十分です。浮いた数百万の予算は、Web広告に回しましょう」と言えるかどうか。
御社の財布を守り、限られた予算を最も効果的な施策に配分する。これもプロが果たすべき重要な役割です。

ここで少し考えてみてください。今、商談している制作会社は、御社の意見に対して一度でも「異論」を唱えましたか? もし、終始笑顔でメモを取るだけだとしたら、それはプロジェクトの危険信号かもしれません。
CagraPROは、御社のビジネスを成功させるためなら、たとえ社長相手でも論理的に反論します。それは無礼だからではなく、御社のビジネスに本気でコミットしているからです。

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対等なパートナーを見極める「魔法の質問」

では、どうやって「御用聞き」と「パートナー」を見分ければいいのでしょうか。契約前の面談で、以下の質問を投げかけてみてください。

「弊社のこのアイデア、どう思いますか?」

あえて、少し的の外れたアイデア(例えば、BtoBなのにインスタ映えを狙いたい等)を投げてみてください。
「面白いですね!やりましょう!」と即答する会社は、御用聞きです。
一方で、「なるほど、その意図は理解できます。ただ、御社のターゲット層を考えると、インスタよりもLinkedInやFacebookの方が相性が良い可能性があります。あるいは、まずはオウンドメディアで記事を蓄積する方が資産になりますが、いかがでしょうか?」と、一度受け止めた上で、別の視点を提示してくる会社。これがパートナーです。

「御社がプロジェクトで最も大切にしていることは?」

この問いに対して、「お客様の満足です」「納期の遵守です」と答える会社は要注意です。もちろん大切ですが、それは当たり前のことです。
パートナーとして相応しい会社は、「御社のビジネスの成果(数字)です」や「エンドユーザーの使いやすさです」と答えます。
視座が「発注者(御社)」に向いているか、それとも「その先にいる顧客」に向いているか。この違いが、納品物のクオリティを決定づけます。

CagraPROのスタンス:我々は「ユーザー」の代理人である

私たちCagraPROが、時にクライアント様と激しい議論を交わす理由。それは、私たちが「御社の顧客(ユーザー)」の代理人として会議に参加しているからです。

社内に「外部の目」を持つことの価値

御社の社内会議では、どうしても「売り手側の論理」が優先されがちです。「この商品を売りたい」「この技術を見せたい」。
しかし、画面の向こうにいるユーザーは、御社の都合など知ったことではありません。彼らは自分の課題を解決したいだけです。
社内の誰もが「イエス」と言う中で、私たちだけが「ユーザーはそう考えません」と「No」を言う。この「外部の目」による摩擦こそが、独りよがりなサイトになるのを防ぐ唯一のストッパーです。

健全な衝突(コンフリクト)が品質を高める

「餅は餅屋」と言いますが、私たちは「御社のビジネス知識」と「Webの専門知識」をぶつけ合わせることで、初めて良いものが生まれると信じています。
言われた通りに作るだけなら、AIでもできます。あるいは、クラウドソーシングで安く発注すれば済みます。
わざわざ私たちのような専門チームを雇う価値は、この「対話」と「共創」のプロセスにあります。私たちは、御社の顔色を伺うのではなく、御社の未来の業績を伺います。

結論:耳の痛いことを言ってくれる相手を選べ

経営において、イエスマンばかりを周りに置く社長は裸の王様になります。Webプロジェクトも同じです。
「デザインが古いですね」「その導線ではCVしません」「その原稿は読まれません」。
こうした指摘は、耳が痛いかもしれません。ムッとするかもしれません。しかし、それを契約前に言ってくれる相手こそが、御社の貴重な予算と時間を守ってくれる真のパートナーです。

「御用聞きはいらない。プロとしての意見が欲しい」。
もしそうお考えであれば、ぜひCagraPROにお声がけください。私たちは、御社の要望をそのまま鵜呑みにすることはお約束できません。しかし、御社のビジネスを深く理解し、プロとして「今、本当にやるべきこと」を、誠実かつ論理的に提案することをお約束します。

ただの業者ではなく、ビジネスを共に伸ばす「右腕」としてのWeb制作会社。そんな関係を築ける企業様との出会いを、私たちは心待ちにしています。

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著者:清宮 雄(株式会社カグラ 代表取締役) マーケティング、ブランディングおよび企業経営の領域において20年以上の実務経験を有する。国内外にてIT事業および教育事業を展開。