「来月から、Webサイトのリニューアル担当よろしく」
上司から突然の辞令。Webの知識は個人的にネットを見る程度、HTMLやサーバーのことは全くわからない。それなのに、数百万円の予算を任され、失敗すれば会社の売上に直結するというプレッシャー。
Web担当者としてのキャリアは、こうした不安の中から始まることが大半です。
しかし、恐れる必要はありません。Webプロジェクトの成功に必要なのは、専門的なプログラミングスキルではなく、正しい「段取り」と「判断基準」です。
家を建てる施主が建築士である必要がないように、Web担当者も技術者である必要はありません。必要なのは、信頼できる大工(制作会社)を選び、要望を正しく伝え、進行を管理するマネジメント能力です。
本記事では、右も左もわからない初心者の担当者様が、最初のプロジェクトを確実に成功させ、社内で評価されるための「完全ロードマップ」を提示します。
フェーズ1:準備こそ命。社内コンセンサスの形成
プロジェクトが失敗する最大の原因は、制作会社に発注する前の「社内調整」の不足にあります。ここを飛ばしていきなり制作会社を探し始めると、後になって「社長のイメージと違う」「現場から使いにくいとクレームが来た」といったちゃぶ台返しが起き、プロジェクトは頓挫します。
曖昧な「リニューアル」は失敗の元
まず、「なぜWebサイトを作るのか」という目的を、社内の誰もが納得する言葉で定義してください。
「今のサイトが古いから」「デザインがダサいから」という理由は不十分です。それは手段であって目的ではありません。
「営業マン不足を補うために、Webからの問い合わせを月10件に増やしたい」
「採用コストを下げるために、応募者の質と数を向上させたい」
「既存顧客のサポート工数を減らすために、マニュアルを充実させたい」
このように、ビジネス上の課題解決を目的に据えます。目的がブレなければ、後のデザイン判断や予算配分で迷うことはなくなります。
KGIとKPIを数字で握る
目的が決まったら、それを具体的な数字(目標)に落とし込みます。
・KGI(重要目標達成指標):プロジェクトの最終ゴール。例)Web経由の売上20%アップ
・KPI(重要業績評価指標):ゴールに至るまでの中間指標。例)アクセス数1.5倍、資料請求率1%
この数字を経営層と合意(握る)しておくことが重要です。「かっこいいサイトができたね」という感覚的な評価ではなく、「目標の数字を達成できたか」という客観的な指標を持つことで、あなたの担当者としての評価も守られます。
フェーズ2:パートナー選びとRFP(提案依頼書)の作成
社内の方向性が固まったら、いよいよ制作会社選びです。ここで手を抜くと、プロジェクトの成功率は著しく下がります。
良い提案を引き出す「RFP」の書き方
制作会社に声をかける際、「いい感じに提案してください」と丸投げしていませんか。これでは、的ハズレな提案しか返ってきません。
必ず「RFP(提案依頼書)」を作成しましょう。難しく考える必要はありません。フェーズ1で決めた「目的」「ターゲット」「目標数値」「予算」「納期」「現状の課題」をA4用紙1〜2枚にまとめるだけで十分です。
このRFPがあることで、制作会社は貴社の本気度を感じ取り、具体的な解決策を練り上げることができます。RFPに対する提案の質を見れば、その会社の実力も一目瞭然です。
金額だけで選ばないパートナー選定眼
見積もりが出揃うと、どうしても金額の安い会社に目が行きがちです。しかし、Web制作において「安さ」は、工数(=思考量)の削減によって成り立っています。
初心者の担当者に必要なのは、言われたことだけをやる作業者ではなく、導いてくれる「パートナー」です。
「この予算ではその機能は実装できませんが、代わりにこちらの方法なら目的を達成できます」といった、プロとしての代替案やリスク説明をしてくれる会社を選んでください。CagraPROのような、マーケティング視点を持った制作会社は、単なる制作代行ではなく、貴社のビジネスゴールを共有する参謀となります。
これらを社内だけで解決するのは困難です。もしプロの視点で診断してほしい場合は、無料相談をご活用ください。RFPの作成支援からお手伝いすることも可能です。
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さて、次は制作が始まってからの、担当者の立ち回りについて解説します。
フェーズ3:制作進行の落とし穴を回避する
発注して終わりではありません。ここからが本番です。制作期間中(通常3ヶ月〜半年)の関わり方次第で、クオリティは大きく変わります。
■H3:丸投げはNG。定例会でグリップを握る
「プロに任せたから大丈夫だろう」と放置するのは危険です。認識のズレは必ず発生します。
週に1回、あるいは隔週で必ず「定例ミーティング」を設定しましょう。進捗の確認、課題の共有、決定事項の確認を行うことで、ズレを最小限に抑えることができます。
また、制作会社からの質問や確認事項には「即レス」を心がけてください。担当者の返信の遅れは、プロジェクト全体の遅延に直結します。ボールを自分の手元で止めないことが、スムーズな進行の鉄則です。
社内確認のフローを事前に固める
デザインや原稿の確認段階でよくあるトラブルが、「課長はOKと言ったのに、部長がNGを出した」「最後に社長が出てきて全てひっくり返された」というケースです。
これを防ぐために、各工程(ワイヤーフレーム、デザイン、コーディング)で、「誰が承認すれば次に進めるのか」という承認フローを明確にしておきます。
特にデザインの確定など、後戻りできない重要なマイルストーンには、必ず決裁権を持つキーマン(社長など)を同席させ、その場で合意を取り付ける段取り力が求められます。
フェーズ4:公開はゴールではなくスタート
無事にWebサイトが公開されたら、まずは自分自身とチームを労いましょう。しかし、Web担当者の仕事はここからが本当のスタートです。
運用体制の構築と効果測定
Webサイトは「生もの」です。公開直後から情報は古くなり始めます。
「誰が」「どの頻度で」お知らせを更新するのか、「いつ」アクセス解析を見てレポートを作るのか、運用ルールを決めておきます。
CagraPROでは、お客様が自走できるよう、使いやすいCMS(更新システム)の導入や、操作レクチャーを徹底しています。また、公開後の保守サポートを通じて、データの見方や改善ポイントのアドバイスも行っています。
作ったまま放置せず、PDCA(計画・実行・評価・改善)を回し続けること。これが、Webサイトを「コスト」から「利益を生む資産」に変える唯一の方法です。
まとめ:最初の成功体験がキャリアを拓く
Web担当者の仕事は多岐にわたり、大変な労力を要します。しかし、自分の関わったサイトを通じて問い合わせが増え、会社の売上が上がり、「君のおかげでうまくいった」と言われる喜びは、何物にも代えがたい経験となります。
このロードマップを地図として持っていれば、迷子になることはありません。あとは、共に歩んでくれる信頼できるガイド(パートナー)を見つけるだけです。
CagraPROは、初めてのWeb担当者様にも分かりやすい言葉で、親身にサポートすることをお約束します。専門用語で煙に巻くようなことは絶対にありません。
不安なこと、わからないことがあれば、どんな些細なことでもご相談ください。貴社のWebプロジェクトを、最初の成功体験へと導きます。
著者:清宮 雄(株式会社カグラ 代表取締役) マーケティング、ブランディングおよび企業経営の領域において20年以上の実務経験を有する。国内外にてIT事業および教育事業を展開。