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Webサイト制作

「Elementor(エレメンター)」で作られたサイトの表示速度を改善する方法

ノーコードで直感的にWebサイトを構築できる「Elementor(エレメンター)」は、その機動力とコストパフォーマンスの高さから、世界中で、そしてCagraPROの制作現場でも採用されている優れたプラグインです。
しかし、同時に「Elementorで作ったサイトは重い」「表示速度が遅い」というネガティブな評判がつきまとうのも事実です。

はっきり申し上げます。「Elementorだから遅い」のではありません。「Elementorの正しいチューニングを知らないまま使っているから遅い」のです。

Webサイトの表示速度は、単なる快適さの問題ではありません。Googleは表示速度をSEOのランキング要因(Core Web Vitals)に組み込んでおり、表示が1秒遅れるごとにコンバージョン率(CVR)は数%〜数十%下落するというデータもあります。つまり、サイトの重さは、そのまま売上の損失を意味します。

本記事では、プラグインを削除したり、高額なサーバーに移転したりする前に、Elementorの標準機能と適切な設定だけで実行できる、実践的な速度改善策を解説します。

なぜElementorサイトは「重く」なりがちなのか

対策を打つ前に、原因を理解する必要があります。Elementorが重くなる主な原因は、ドラッグ&ドロップの利便性と引き換えに発生する「コードの肥満化」です。

「DOM要素」の過剰な入れ子構造

Elementor(特に古いバージョンやセクション機能)を使ってデザインすると、一つの見出しを表示するためだけに、セクション>カラム>ウィジェットラップ>ウィジェットといった、何重ものHTMLタグ(divタグ)が生成されます。
これを「DOMの深さ」と呼びます。DOMが深くなり、要素数が増えすぎると、ブラウザがページを描画する計算に時間がかかり、結果として表示速度が低下します。見た目はシンプルでも、裏側のコードがスパゲッティのように絡み合っている状態です。

使っていない機能の「全部読み込み」

Elementorは多機能であるがゆえに、デフォルトの状態では「そのページで使っていないウィジェット」のスタイル(CSS)やスクリプト(JS)まで読み込んでしまう傾向があります。
例えば、Googleマップを使っていないページなのに、マップ用のプログラムを裏で読み込んでいれば、無駄な通信が発生します。この「不要な資産(アセット)の読み込み」をいかにカットするかが、軽量化の鍵となります。

今すぐ変更すべきElementorの「内部設定」

外部の高速化プラグインを入れる前に、まずはElementor本体が持っている「パフォーマンス設定」を見直してください。近年のアップデートで、Elementorは高速化機能を大幅に強化しています。これらを「ON」にするだけで、劇的に改善するケースがあります。

セクションから「コンテナ(Flexbox)」への移行

もし貴社のサイトがまだ旧来の「セクション・カラム」で構築されているなら、最新の「Flexbox Container(コンテナ)」への移行を強く推奨します。
コンテナ機能を使うことで、無駄なdivタグの入れ子を大幅に減らすことができ、DOMサイズを軽量化できます。これは単なる機能追加ではなく、HTML構造を根本からスリムにするためのアップデートです。これから新規作成するページは必ずコンテナを使用し、既存ページも主要な箇所は書き換えを検討すべきレベルの重要事項です。

「実験的機能(Experiments)」の最適化

Elementorの管理画面には「設定」>「機能(Features)」というタブがあります(旧称:実験中)。ここは宝の山です。
特に以下の項目が「アクティブ」になっているか確認してください。
・Optimized DOM Output(DOM出力の最適化):不要なラッパー要素を削除します。
・Improved Asset Loading(アセット読み込みの改善):使用しているウィジェットのファイルのみを読み込みます。
・Improved CSS Loading(CSS読み込みの改善):CSSをページ単位で最適化します。
これらは、ワンクリックで前述した「コードの肥満化」をダイエットさせる強力な機能です。ただし、デザイン崩れが起きないか、必ずテスト環境で確認してから本番適用してください。

これらを社内だけで解決するのは困難です。もしプロの視点で診断してほしい場合は、無料相談をご活用ください。[ >> CagraPROに無料相談する ] さて、次は意外と見落とされている「フォント」と「画像」の取り扱いについて解説します。

Google Fontsの読み込み制御

ElementorはデフォルトでGoogle Fontsを読みに行きますが、日本語フォントはファイルサイズが巨大です。もし、デザイン上でどうしても必要な見出し以外、システムフォント(デバイスごとの標準フォント)で十分であれば、Google Fontsの読み込みを無効化することで、初動の表示速度(LCP)を大幅に短縮できます。
Elementorの設定からGoogle Fontsの読み込みを「スワップ(Swap)」設定にするか、完全に無効化する選択を行うだけで、0.5秒〜1秒の短縮につながることも珍しくありません。

「画像」こそが最大の足かせであり、最大の伸び代

Elementorは視覚的な調整が容易なため、ついつい高画質な画像を多用しがちです。しかし、これがサイトの速度を落とす最大の要因となっています。どれほどコードを最適化しても、トップページに5MBの画像が1枚あるだけで、全ての努力は水泡に帰します。

WebP(ウェッピー)形式への完全移行

もはやJPEGやPNGを使う時代ではありません。Googleが開発した次世代フォーマット「WebP」を使用することで、画質をほぼ保ったまま、ファイルサイズを30%〜50%削減できます。
Elementorには画像をアップロードするだけで自動的に最適化する機能はありません。そのため、「EWWW Image Optimizer」や「Imagify」といった画像圧縮プラグインを導入し、アップロード時に自動でWebP変換と圧縮を行うフローを構築してください。これは選択肢ではなく、現代のWeb標準における義務です。

背景画像の遅延読み込み(Lazy Load)

通常の画像ウィジェットはWordPress標準の遅延読み込み(Lazy Load)が効きますが、Elementorの「セクション背景」や「コンテナ背景」に設定した画像は、デフォルトでは遅延読み込みの対象外になることが多いです。
これらはCSSで描画されるため、スクリプトによる制御が必要です。キャッシュプラグインの設定や、Elementor専用の最適化プラグインを使用し、ファーストビュー(最初に表示される画面エリア)以外の背景画像は、スクロールするまで読み込ませない設定を徹底してください。

キャッシュ戦略とサーバー環境の見直し

内部設定と画像を最適化してもまだ遅い場合、原因は「配信の仕組み」と「インフラ(土台)」にあります。Elementorは動的にページを生成するため、PHPの処理能力に依存します。

Elementorと相性の良いキャッシュ設定

ページキャッシュ(動的ページを静的HTMLとして保存する機能)の導入は必須です。「WP Rocket(有料)」や「LiteSpeed Cache(無料)」などのプラグインを導入し、HTML、CSS、JavaScriptのファイルを圧縮(Minify)・結合(Combine)します。
ただし、ElementorはJavaScriptを多用するため、過度な「JSの遅延実行」設定を行うと、スライダーが動かない、メニューが開かないといった不具合が起きやすいです。必ず「Elementor本体のスクリプト(elementor-frontend等)」を除外設定に入れるなど、表示崩れと速度のバランスを調整するチューニングが必要です。

サーバーの「PHPメモリ上限」を開放する

Elementorが重い原因の多くは、実はサーバーのスペック不足です。特に「PHP Memory Limit」という設定値が低すぎると、編集画面が固まったり、表示生成に時間がかかったりします。
格安レンタルサーバーの初期設定では、この値が「128MB」などに制限されていることがあります。Elementorを快適に動かすには、最低でも「256MB」、できれば「512MB」まで上限を引き上げてください。これはサーバーの管理画面や、wp-config.phpファイルの編集で変更可能です。この設定変更だけで、体感速度が変わることは珍しくありません。

まとめ

「Elementorは重い」というのは、使い手の知識不足による誤解です。
不要な機能を切り、適切なフォーマットで画像を配信し、サーバー環境を整えれば、Elementor製サイトであってもGoogleのスピードテストで高得点(90点以上)を叩き出すことは十分に可能です。

私たちは、Elementorのデザインの自由度と、手書きコーディング並みの表示速度を両立させるノウハウを持っています。もし、自社サイトが重く、ユーザーを待たせていると感じるなら、それは機会損失を生み続けている状態です。
デザインを崩さず、裏側の構造だけをプロの手でチューニングし、サクサク動く「売れるサイト」へと蘇らせます。

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著者:清宮 雄(株式会社カグラ 代表取締役) マーケティング、ブランディングおよび企業経営の領域において20年以上の実務経験を有する。国内外にてIT事業および教育事業を展開。