Webプロジェクトにおいて、最も恐ろしい敵は「バグ」でも「予算不足」でもありません。それは「意思決定の遅さ」です。
担当者様と素晴らしい企画を練り上げ、現場レベルでは完全に合意が取れている。しかし、そこから課長、部長、役員、そして社長へと稟議が上がる過程で、一週間、また一週間と時間が過ぎていく。その間に、当初の熱量は冷め、尖っていたコンセプトは「誰からも文句が出ない無難な表現」へと角を削られ、最終的にGOサインが出た頃には、競合他社が既に似たようなサービスをリリースしていた——。
このような「伝言ゲームによる摩耗」と「タイムロス」は、多くの日本企業で日常茶飯事です。しかし、秒進分歩のWebの世界において、このスピード感の欠如は致命傷となります。CagraPROが、プロジェクトの規模に関わらず「決裁権を持つ方との直接対話」あるいは「経営者直通ライン」を重視するのは、単なる効率化のためではありません。それが、Web集客という戦場で勝ち残るための、唯一の生存戦略だからです。
3ヶ月前の「正解」は、リリース時には「陳腐化」している
Webの世界の変化は残酷なほど早いです。Googleの検索アルゴリズムは年に何度もコアアップデートを行い、SNSのトレンドは数週間で入れ替わります。ユーザーの行動様式も、新しいデバイスやアプリの登場とともに変化し続けています。
従来のウォーターフォール型(滝のように上から下へ工程を進める手法)の開発では、要件定義から公開までに半年〜1年をかけることも珍しくありません。しかし、企画段階で「これが正解だ」と思っていた戦略が、半年後の市場環境でも通用する保証はどこにもありません。時間をかければかけるほど、そのプロジェクトは「今の市場」から乖離した、過去の遺物になっていくリスクを孕んでいます。
「慎重に検討する」といえば聞こえはいいですが、Webにおいては「検討している時間」そのものが「機会損失」です。検討している間も、競合はPDCAを回し、データを蓄積し、改善を続けています。CagraPROは、「100点の計画を立ててから動く」のではなく、「80点の状態でリリースし、市場の反応を見ながら高速で100点に近づける」アプローチを推奨しています。そのためには、現場の判断で即座に舵を切れる、経営直結の意思決定スピードが不可欠なのです。
「伝言ゲーム」が招く、クリエイティブの質の低下
意思決定の階層が多いことの弊害は、スピードだけではありません。情報の純度が下がることも深刻な問題です。
私たち制作会社が「なぜこのデザインにしたのか」「なぜこの導線が必要なのか」という意図を、担当者様に熱量を持って伝えます。担当者様はそれを理解し、社内に持ち帰ります。しかし、上司への報告、さらにその上の役員への説明となると、どうしても情報は要約され、ニュアンスが抜け落ちていきます。
結果、経営層に届く頃には、戦略的な意図が削ぎ落とされ、表面的な「見た目」だけの議論になってしまいます。「なんか色が派手じゃないか?」「もっと情報を詰め込めないか?」といった、戦略とは無関係な「個人的な感想」による修正指示が戻ってくる。これを繰り返すうちに、サイトは誰のためでもない、継ぎ接ぎだらけの「フランケンシュタイン」のような姿になってしまいます。
私たちは、こうした悲劇を避けるために、重要なプレゼンテーションや要件定義の場には、可能な限り決裁権を持つ方の同席をお願いしています。私たちが直接、経営者様のビジネスの言葉で戦略を語り、その場で疑問を解消し、合意形成を行う。これにより、担当者様が板挟みになるストレスを解消し、純度の高いクリエイティブを世に送り出すことができるのです。
大手代理店が「階層」を好み、CagraPROが「直通」を好む理由
大手広告代理店や制作会社が、なぜ複雑な承認フローや定例会議を好むのかご存知でしょうか。それは、彼らのビジネスモデルが「人月商売」だからです。関わる人数が増え、会議が増え、期間が延びれば延びるほど、「ディレクション費」や「進行管理費」として請求できる金額が増える構造になっています。彼らにとって、プロジェクトの長期化は必ずしも悪ではないのです。
しかし、CagraPROは違います。私たちは少数精鋭のチームであり、無駄な会議や、結論の出ない持ち帰り検討を嫌います。私たちの利益の源泉は、管理費ではなく、クライアントの「成果」に対する対価だからです。早くリリースし、早く成果を出し、次のフェーズ(運用や広告施策)に進むことこそが、御社にとっても私たちにとっても最大の利益になると確信しています。
だからこそ、私たちは「御用聞き」の営業担当を挟みません。実際に手を動かし、戦略を考えるシニアクラスの人間が、直接御社の経営陣と対話します。「この機能はコストがかかる割に効果が薄いのでやめましょう」「代わりにこちらに予算を使いましょう」といった、経営視点での提案(あるいは提言)ができるのは、私たちが現場と経営の両方を理解しているからです。
Web担当者を「孤独な調整役」にしないために
この記事を読んでいるWeb担当者様の中には、「うちの社長はWebに理解がないから、直接合わせるのは怖い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、逆です。Webの専門用語が通じない経営者様だからこそ、私たちのような外部の専門家をうまく使ってください。
社内の部下が「Web集客が必要です」と訴えるのと、外部の実績あるプロが「御社のビジネスモデルなら、ここを改善すればこれだけの利益が見込めます」と数字で語るのとでは、説得力が全く違います。私たちは、担当者様の味方です。担当者様が社内で通したい企画、実現したい施策があれば、それを経営層に刺さるロジックに変換し、代わりにプレゼンします。
CagraPROとの「直通ライン」を作ることは、担当者様の頭越しに勝手なことをするためではありません。担当者様を「単なる作業者」から、外部リソースをマネジメントし、会社を動かす「プロジェクトマネージャー」へと進化させるための仕掛けなのです。
決定を「正解」にするのは、その後の運用のみ
最後に、意思決定における重要なマインドセットについてお伝えします。多くの経営者は「失敗したくない」という思いから、決定を先延ばしにします。しかし、Webにおいて「着手前の100%の正解」など存在しません。
あるのは「仮説」だけです。A案がいいか、B案がいいか、会議室で何十時間議論しても答えは出ません。答えを持っているのは、会議室のお偉いさんではなく、市場にいるユーザーだけです。だからこそ、一刻も早くリリースし、ユーザーに問いかける必要があります。
早く決めて、早く出す。そしてデータを見て、間違っていればすぐに直す。このサイクルを回せる企業だけが、Webで勝つことができます。決定が間違っていたとしても、Webなら修正がききます。最も罪深いのは、修正がきかないほど時間を浪費し、市場から取り残されることです。
CagraPROは、そのスピード感に並走できるパートナーです。「即断即決」ができる体制を整えている企業様、あるいは「今は動きが遅いが、これから変わりたい」と本気で願う企業様にとって、私たちは最高の武器になると自負しています。
稟議書を書く時間があるなら、プロトタイプを作りましょう。会議の日程調整をする時間があるなら、チャットで即座に方向性を決めましょう。Webのスピードを取り戻し、ビジネスを加速させる準備ができたら、CagraPROにご相談ください。面倒な社内調整の壁を、私たちがロジックと情熱で突破します。
著者:清宮 雄(株式会社カグラ 代表取締役) マーケティング、ブランディングおよび企業経営の領域において20年以上の実務経験を有する。国内外にてIT事業および教育事業を展開。