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公開後の修正はどこまで無料?制作会社と揉めないための契約前の確認点

Webサイトが無事に完成し、いざ公開。「やっと終わった」と胸をなでおろしたのも束の間、翌日に社長から「ここの文章、やっぱり変えたい」「スマホで見ると少し文字が小さい気がする」といった修正指示が飛んでくる。よくある話です。

そして、その要望を制作会社に伝えたとき、返ってくる言葉がトラブルの火種になります。「それは仕様変更になるので、追加費用がかかります」。

発注者からすれば「昨日公開したばかりなのに、もう有料なのか?」「ちょっとした修正なのに冷たすぎる」と感じるでしょう。一方で、制作会社からすれば「検収印をもらった以上、そこから先は別案件」というのがビジネスのルールです。

この認識のズレこそが、Web制作における最大の不満要因です。どこまでが無料で、どこからが有料なのか。この境界線を契約前に明確にしておくことは、お互いの信頼関係を守るための防衛策です。

今回は、公開後の修正対応における「業界の常識」と、無用なトラブルを避けるために発注者側が確認すべき「契約の急所」について解説します。

「バグ」と「仕様変更」の違いを理解する

まず、修正には大きく分けて二つの種類があることを理解する必要があります。「瑕疵(かし)」と「変更」です。この二つは似て非なるものです。

無料で直すべき「瑕疵(バグ)」

「瑕疵」とは、本来あるべき機能や品質が欠けている状態、つまり「欠陥」や「ミス」のことです。
例えば、「クリックしてもページが遷移しない」「画像が表示されていない」「誤字脱字がある(原稿通りに入力されていない場合)」「スマホでレイアウトが崩れて読めない」といったケースです。

これらは明らかに制作側の過失ですので、公開後であっても、定められた期間内(瑕疵担保期間)であれば無償で修正されるのが一般的です。これはサービスではなく、法的な義務に近いものです。家を建ててすぐに雨漏りしたら、無料で修理してもらうのと同じ理屈です。

有料となる「仕様変更(追加要望)」

一方で、トラブルになりやすいのがこちらです。
「機能的な不具合はないが、気に入らない」「もっとこうしたい」という要望は、制作側のミスではなく、発注者側の「都合」となります。

例えば、「文章の言い回しを変えたい(原稿は正しく反映されているが)」「写真を別のものに差し替えたい」「ボタンの色を赤から青にしたい」といったケースです。
たとえ「作業時間は5分で終わるでしょ?」と思うような内容でも、プロの工程では、修正、テスト環境での確認、本番反映、再確認というフローが発生します。これを「無料のサービス」として強要されると、制作会社は疲弊し、結果としてサービスの質が低下します。

家作りの例で言えば、完成引き渡し後に「やっぱり窓の位置を変えたい」と言っているようなものです。これは修理ではなく「リフォーム」であり、当然ながら追加費用が発生します。

トラブルを防ぐ「検収期間」の重要性

公開後の修正でもめる最大の原因は、「検収」というプロセスをおろそかにしている点にあります。

公開前の「ラストワンマイル」を走り切る

Web制作の工程には、公開直前に「テスト公開(検証)」というフェーズがあります。制作会社がテスト環境にサイトをアップし、発注者がその内容を確認して「OK(検収)」を出す。この合意があって初めて本番公開されます。

多くの担当者様は、この確認作業を忙しさにかまけて流してしまいがちです。「プロが作ったんだから大丈夫だろう」と。しかし、ここで「OK」を出したということは、「この状態で納品を受け入れました」という契約上の宣言になります。
検収印を押した後に「やっぱりここが」と言い出すのは、スーパーでレジを通した後に「これ返品したい」と言うのと同じくらい、実はハードルの高い行為なのです。

CagraPROでは、この検収期間を十分に確保し、お客様と一緒に画面を見ながらチェックする時間を設けます。公開してから慌てるのではなく、公開前に徹底的に膿を出し切る。これがプロの進行管理です。

契約前に確認すべき「3つの境界線」

契約書や見積書にハンコを押す前に、以下の3点を制作会社に質問してください。これらが曖昧なままだと、後々「言った言わない」の争いになります。

1. ブラウザとデバイスの対応範囲

「社長の家の古いパソコンで見たら崩れていた」というクレームはよくあります。しかし、すでにサポートが終了したブラウザ(Internet Explorerなど)や、発売から5年以上経過した古いスマホまで完璧に対応させるには、膨大な検証コストがかかります。

「最新のChrome、Safari、Edgeに対応します」「iPhoneは過去3世代まで保証します」といった具合に、対応範囲(推奨環境)を契約段階で握っておくことが重要です。範囲外の環境での崩れは「仕様」であり、修正には追加費用がかかることを合意しておけば、無用なトラブルは防げます。

2. 瑕疵担保期間(保証期間)の長さ

公開後に見つかったバグを、いつまで無料で直してくれるか。業界標準では「3ヶ月〜1年」程度が一般的です。
「永久に無料で直します」という会社は逆に危険です。倒産リスクがあるか、最初から対応する気がないかのどちらかです。適切な期間が設定されているかを確認しましょう。

3. CMS(更新機能)のレクチャー範囲

「お知らせ」や「ブログ」など、自社で更新できる機能を実装した場合、その操作方法のレクチャーは含まれているか。また、操作ミスで表示を崩してしまった場合の復旧は有料か無料か。
一般的に、お客様の操作ミスによる不具合修正は「有料」です。しかし、CagraPROのように「公開後1ヶ月間は、操作に関する質問や軽微な復旧はサポート範囲内」とする会社もあります。ここが「作りっぱなし」の会社との大きな差です。

ここで少し考えてみてください。今検討されている制作会社、あるいは現在お付き合いのある会社と、この「境界線」の話をしっかりとできていますか? もし「なんとなくやってくれるだろう」という期待だけで進めているなら、それは黄色信号です。

私たちは、見積もりの段階で「何が含まれていて、何が含まれていないか」を明確に提示します。それは冷たさではなく、ビジネスパートナーとしての誠実さの証です。不明瞭な契約に不安を感じているなら、一度私たちにご相談ください。契約書のセカンドオピニオンとしてもお役に立てるはずです。

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CagraPROの「公開後サポート」の考え方

私たちは、公開をゴールとは考えていません。公開こそがスタートであり、そこから発生する修正や改善こそが、サイトを育てる栄養分だと考えています。

軽微な修正に対応する「チケット制」や「定額保守」

「ちょっとした文字修正で毎回見積もりを取るのは面倒だ」。この担当者様のストレスを解消するために、私たちは柔軟な保守プランを用意しています。
例えば、月額の保守費用の中で「月に3回までのテキスト・画像修正は無料」としたり、作業工数に応じたポイント(チケット)を消費して即座に対応したりする仕組みです。
いちいち稟議を通さずに、チャット一本でスピーディーに修正依頼ができる。この「機動力」こそが、Web運用を成功させる鍵です。

ミスは隠さず、即座に対応する

人間が作っている以上、バグを100%ゼロにすることは不可能です。重要なのは、バグが出た時の対応スピードです。
CagraPROでは、万が一こちらの過失による不具合が発生した場合、言い訳をせずに最優先で復旧にあたります。そして、なぜそのミスが起きたのか、再発防止策はどうするのかをレポートとして提出します。
ミスをごまかすのではなく、対応の誠実さで信頼を回復する。それが私たちのスタンスです。

結論:修正は「悪」ではない。サイト改善の第一歩

公開後の修正依頼は、担当者様がサイトを真剣に見ている証拠であり、より良くしたいという熱意の表れです。それを「仕様変更ですから」の一言で切り捨てる制作会社は、パートナーとは呼べません。

しかし、無制限の無料対応は、制作会社の経営を圧迫し、結果としてサービスの質を下げます。
だからこそ、「ここまでは責任を持って直します」「ここからは新しい価値の追加なので投資をお願いします」という線引きを、契約前にクリアにしておく必要があるのです。

良い制作会社とは、何でも言うことを聞くイエスマンではありません。「できないこと」や「有料になること」を、論理的かつ丁寧に説明できる会社です。

契約書は、相手を縛るためのものではなく、双方が気持ちよくプロジェクトを進めるための握手のようなものです。
公開後のトラブルに怯えることなく、建設的な改善議論ができる関係を築きたい。そうお考えであれば、ぜひCagraPROにお声がけください。透明性の高いプロセスと契約で、御社のWebプロジェクトを成功に導きます。

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著者:清宮 雄(株式会社カグラ 代表取締役) マーケティング、ブランディングおよび企業経営の領域において20年以上の実務経験を有する。国内外にてIT事業および教育事業を展開。